Strawberry Candy
「キスしてよ。好きって伝わるような。」
「真智さんの前で…?」
また真智を気にした…
俺より真智かよ。
―♪ピロリロリ~ン
『朔斗、仕事が入ったからすぐにいつものスタジオに!』
「わかった。」
タイミングが良いのか悪いのか、かかってきた仕事の電話。
「俺、仕事が入ったから。」
そう言って俺は部屋を出た。
「朔斗!待って…!」
葵の声を無視して。
嫌でも響く葵の声を…
振り払いたいのに振り払えない…
俺はスタジオまでタクシーで行かずに全力疾走した。