Strawberry Candy




そこは、優斗のいるところだった。





「俺さ、本当は分かってるんだ……仕方がないって」




少し俯いて話すお兄ちゃん。




「由樹はああいう仕事してるから仕方ないって……」




それからお兄ちゃんは、優斗を見上げて言った。




「けど、お前だったらそんなこと……悲しい思いをさせないのにって思っちゃうんだよな」




お兄ちゃん……




「バカだなぁ、俺は。由樹も真白を大切にしてくれてるし、認めてるつもりなんだけど……前に進めてないのは真白じゃなくて俺だな」





< 163 / 170 >

この作品をシェア

pagetop