Strawberry Candy
「私もさ、尚となら堕ちてもいいかも。」
そう笑って言った。
「尚と話してたら悲しい気持ちとか全部飛んでいっちゃった!」
やっぱり、向日葵みたいな人だなって思った。
それから半年が経った。
「尚!遅ーい!」
「ごめん、仕事でさ。」
屋上はすっかり俺たちの待ち合わせ場所になっていた。
「本当に尚が有名アーティストだなんてびっくりだよ!」
つい最近まで夏菜は俺がアーティストということを知らなかった。
「ちゃんと寝てる?授業はついていけてる?」
あれから実際に合って別れを告げた夏菜に、“よかったな、幸せになれよ”と言った奴は、正直、素敵な人だったと思う。