カッコイイオトコ
グキッと。

右足が揺れた。

「ひゃあっ」

足元から、見事に右側へ崩れ落ちる。強かに膝を打ち付けて、レンガの歩道についた両手が熱を帯びる。

い、いたい……。

な、何故、こんなところで転ぶ、私……。


クスクス、と笑う声にハッとして顔を上げると。

行き交う人々が私を見て笑っているのが見えた。


ああ~!

恥ずかしい~!


一気に顔が熱くなる。

私って、私って、なんてマヌケなのおお~!


「大丈夫ですか?」


熱くなった頬を両手で隠していたら。

頭上から甘い声が降ってきた。

こ、この声は……。



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