カッコイイオトコ
12.元カノなんかに負けません!

「何その女!」

いつもの学校の食堂で、ハルカとナオちゃんの声がシンクロした。

それと同時に、2人ともブロッコリーにフォーク突き刺してるよ。仲いいなぁ。

「何だか、ハルヒコくんとタカさんの知り合いみたい。綺麗な人だった」

「あんた分かってんの? 思いっきりバカにされたんだよ? だから天童ハルヒコが怒ってくれたんでしょーが!」

ハルカの大声に、周りの生徒たちがこちらを見る。

うわ~ん、ハルカったら、また目立ってるよ~。


……でも、待って?

ハルヒコくんは、私がバカにされたから怒ってくれたの?

それって……

「しあわせぇ~」

ほわ~んと私の周りに黄色い花びらが飛んだ。……まぼろしだけど。

「マユ…?」

ハルカがそんな私を睨んでる。

だから、ハルカみたいに綺麗な人が怒った顔って、怖いんだってば~。

「あたしがその場にいたら、ぶん殴ってやったのに」

ナオちゃんは眉間にシワを寄せ、口を歪めながらそう言う。……その顔も怖いよ、ナオちゃん……。
< 114 / 158 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop