カッコイイオトコ
12.元カノなんかに負けません!
「何その女!」
いつもの学校の食堂で、ハルカとナオちゃんの声がシンクロした。
それと同時に、2人ともブロッコリーにフォーク突き刺してるよ。仲いいなぁ。
「何だか、ハルヒコくんとタカさんの知り合いみたい。綺麗な人だった」
「あんた分かってんの? 思いっきりバカにされたんだよ? だから天童ハルヒコが怒ってくれたんでしょーが!」
ハルカの大声に、周りの生徒たちがこちらを見る。
うわ~ん、ハルカったら、また目立ってるよ~。
……でも、待って?
ハルヒコくんは、私がバカにされたから怒ってくれたの?
それって……
「しあわせぇ~」
ほわ~んと私の周りに黄色い花びらが飛んだ。……まぼろしだけど。
「マユ…?」
ハルカがそんな私を睨んでる。
だから、ハルカみたいに綺麗な人が怒った顔って、怖いんだってば~。
「あたしがその場にいたら、ぶん殴ってやったのに」
ナオちゃんは眉間にシワを寄せ、口を歪めながらそう言う。……その顔も怖いよ、ナオちゃん……。