カッコイイオトコ
「ハルカ、まさかタカさんのこと──!?」

また周囲の目が一斉にこちらに向く。

今日何度目かの注目を浴びる私達。何だかちょっと慣れてきた。

「うん」

ハルカはあっさりと頷いた。

「えええー!?」

「何驚いてるのよ。タカヒロさん、素敵な人よね。まさに理想のタイプ」

そう言って両手を組むハルカ。

その顔はまさに恋する乙女!

でも、タカさんが理想のタイプだなんて……そんなことは初めて知ったよ?

だって今まで付き合ってきた人は、みんなイケメンばかり……。

驚いて口をあけている私を見て、ハルカはチッチッと人差し指を横に動かした。

「マユ。男は顔じゃないのよ。ここよ」

と、ボリュームのある胸をトントン叩いた。

……うん。タカさんは、凄く素敵な人だと思う。ハルカは間違ってない。

「女も同じことよ。見た目はもちろん重要だけど、一番大事なのはその人の中身。もっと人間性を磨いて、タカヒロさんを振り向かせてみせるから」

そう言って軽くウインクするハルカは、とても輝いていた。
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