カッコイイオトコ
声は聞こえるんだけど、何を話しているのかまでは聞こえない。
チラ、とハルカの顔を伺いながら、運ばれてきたフルーツケーキを口に運んでいると。
反対側の歩道を早足で歩いていく、長い黒髪の美女を発見した。
「あっ……」
あのツヤツヤした黒髪は、間違いなくユカリさんだ。
白いシャツにグレーのAラインスカートを履き、モデルのような綺麗な歩き方で駅の方へと向かっている。
それを目にした私は、咄嗟にバッグを掴むと、ユカリさんを追っていった。
「マユ? どこ行くんだよ!」
後ろからのナオちゃんの声に、ちょっとだけ振り向いて、
「ちょっとごめんね!」
とだけ言って、走り出す。
夕方で、人通りの多い時間帯。
道行く人々の肩にぶつかり、何度も謝りながらユカリさんを追いかける。
うう、ユカリさんも歩くの早い。
やっぱり足の長さが違うのかも~。
でも今日は走りやすいペタンコ靴。気合を入れて追いかけていたら……。
「ひゃあっ!」
段差に躓いて、見事歩道に転がった……。
チラ、とハルカの顔を伺いながら、運ばれてきたフルーツケーキを口に運んでいると。
反対側の歩道を早足で歩いていく、長い黒髪の美女を発見した。
「あっ……」
あのツヤツヤした黒髪は、間違いなくユカリさんだ。
白いシャツにグレーのAラインスカートを履き、モデルのような綺麗な歩き方で駅の方へと向かっている。
それを目にした私は、咄嗟にバッグを掴むと、ユカリさんを追っていった。
「マユ? どこ行くんだよ!」
後ろからのナオちゃんの声に、ちょっとだけ振り向いて、
「ちょっとごめんね!」
とだけ言って、走り出す。
夕方で、人通りの多い時間帯。
道行く人々の肩にぶつかり、何度も謝りながらユカリさんを追いかける。
うう、ユカリさんも歩くの早い。
やっぱり足の長さが違うのかも~。
でも今日は走りやすいペタンコ靴。気合を入れて追いかけていたら……。
「ひゃあっ!」
段差に躓いて、見事歩道に転がった……。