カッコイイオトコ
くすん、くすん、と泣くハルカは、まるでちょっと前の私みたい……。

そうだよね。

恋をすると、ちょっとのことで不安になっちゃったりするんだよね。こんなに綺麗で自信に溢れていそうなハルカでさえ、弱気になっちゃうときもある。

「大丈夫! 弱気にならないで! ハルカは素敵な女の子だもん!」

バシバシと背中を叩いて、ハルカを励ます。

ハルカが私を応援してくれたように、私もハルカの力になりたいよ。

「ちょっとハルヒコくんに探りを入れてみるから!」

「無駄よ……天童ハルヒコは他人に興味がないし、鈍感だからタカヒロさんの気持ちなんて気づいてないわ……」

うう、ハルヒコくん、酷い言われようですよ……。

でも他人に興味がないのは当たってるかも……。

「じゃあ、ユウに聞いてみるか?」

後ろからナオちゃんが顔を出した。

「ナオちゃん! とうとうメルアド聞き出したの?」

「まーね。もう、玉砕覚悟で聞いてきたさ! ハルカに負けてらんねぇもんな!」

しっかり乙女の顔でナオちゃんは笑う。


あの時、私のために怒ってくれたナオちゃんは、昔の仲間たちと一緒にあのお兄さんたちを探していた。

本当にボッコボコにするつもりだったみたい。

でも、ハルカとタカさんに止められて、なんとか怒りを収めたみたい。

ナオちゃんが私のために、暴力を振るわなくて良かった。

気持ちは、凄く嬉しかったけどね。
< 146 / 158 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop