カッコイイオトコ
長く伸びた影法師も、私たちと同じく仲良く寄り添っている。

いつまでもずっと、仲良しでいられたらいいなあ。

そう思ったら、ふと、あることが思い浮かんだ。


「あっ、冬になったら大変ですね!」

「え?」

ハルヒコくんが私を見下ろす。

「道が凍ったら、きっと私滑って転びますよ! 絶対ハルヒコくんを巻き込みます!」

「……もう冬の心配ですか?」

「はい、だって……これからもずっと仲良くしていきたいなあ、って考えてたら、冬も越さなきゃいけないんだと気づいたんです」

「……」

ハルヒコくんは一瞬、私から顔を背けた。

……あ、あれっ、何か気に障るようなこと、言ったのかな?

「……ハ、ハルヒコくん?」

心配になって声をかけたら、フルフルと小さく首を振った。

「イエ、なんでもありません」

手を繋いでいない右手で口元を押さえ、ハルヒコくんは正面を向く。

……あれ、こんなこと、前にもあったなあ。

あの時は、確か笑いを堪えていて……。

……笑いを堪えてるの? なんで?

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