カッコイイオトコ
「は、ハルカ……」

「ん? 何?」

「あの人の名前、聞き忘れちゃった……」

その言葉を聞いて、ハルカはますます不安顔。

「……大丈夫? あんた……」

ハア~ッと溜息をつかれる。

あはは、そういえば、危うく待ち合わせ場所も聞かずに帰って来るところだったしね。

私って、抜けてるよね。

そりゃ、ハルカも心配するよ……。

「う、うん、明日聞いておくよ」

「大丈夫かなあ~……ついて行きたいところだけど、明日はバイトだしなぁ……」

ハルカ……

どこまでも優しい心の友よ!

そんなに心配してもらって、マユは感激です!

でも、いつまでもハルカに甘えてばかりいられないもん。しっかりしなくちゃ。

「大丈夫! そのうちハルカに紹介するからねっ」

「うーん……」

「大丈夫だってば!」


まだ心配顔のハルカを宥め、私達はファーストフード店を後にして、電車に乗って買い物へ出かけた。

< 20 / 158 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop