カッコイイオトコ

「だってアンタ……どうみても、アレは“普通”な感じじゃないでしょ？　確かに、カッコイイけどさあ……」

「うん、カッコイイよね！　それで天気予報で、クマのピーさんなんだよ」

ハルカは私を見た後、チラリと振り返った。

「はあ……アンタ、普通の人が好みじゃなかったの？」

「うん、普通の人がいいと思ってるよ」

「アレは普通じゃないでしょ？」

「え？　でも……優しかったよ？　転んだの助けてくれたし……」

「うう～ん……」

ハルカは自分の巻き毛を指でクルクルしながら、何度も振り返って彼の姿を確認する。

……ハルカ、お気に召さない？

「なんだか……マユのイメージじゃないなあ……もっとさあ、真面目そうな人がいいんじゃない？」

「真面目そう？　……でもあの人、ずっと敬語だったよ？」

「えっ？」

ハルカ、また振り返る。

……見すぎだよ～。私も人のこと言えないけど。

「なるほど、そのギャップにやられちゃったのね……」

「そうなのかな？　でもね、何かこう、ビビッときたの」

「ふう～ん……」