カッコイイオトコ
2人でドクロの彼を眺める。

じい~っと。

穴が開きそうなほど眺めてみた。

でも彼は電車の揺れにカックリカックリと頭を揺らしながら、気持ち良さそうに眠っていて、私達の視線には気付いていないようだ。

ジイっと眺めていて気付いたんだけど。

何だか……

キツイ目が閉じられたら、ちょっとカワイク見えてきたなぁ。

寝顔、かわいい~。


「……マユ、顔が怪しい」

「えっ?」

ハルカに指摘されて、慌てて緩んだ頬を修正。

危ない、危ない。

ちょっと変な人になりかけちゃった。

「えへへ」

ペロッと舌を出してテレ笑いしたら。

電車が駅のホームに入って、急ブレーキをかけた。

グラッと体が揺れて、思わず取っ手にしがみ付く。

もう、今日の運転手さん、下手~!
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