カッコイイオトコ
「こんにちはー! えっ、何歳なんですか?」

彼はナツキくんの頭をそっと撫でてやる。するとナツキくんは彼を見上げて、こくん、と頷いた。

「4しゃいでーす!」

右手に4を作って、元気良く答えてくれた。

「4歳かあ。かわいいねぇ~」

思わず笑みが零れる。

ナツキくんに笑顔を向けていると、彼がペコリと頭を下げた。

「すみません、時間、言い忘れていましたね。俺も早く出てきたつもりだったのですが、お待たせしてしまったみたいで」

笑顔全開のナツキくんとは違い、丁寧な言葉使いにも関わらず、まったく表情筋の動かない彼。

もともと、感情が出にくいタイプなのかな…?

「あ、いえ、いいんです。朝の散歩も気持ちよかったですから」

「そうですか……ああ、名前も名乗り忘れていましたね。うっかりしてしまって」

「いえ、私もうっかりしていました。すみません」


ペコペコと頭を下げあう事数十回。

やっと顔を上げて視線を合わせた私達は、自己紹介をすることにした。


「えっと、私は真田マユと言います」

「天童ハルヒコです」


ハルヒコくん……。

うふふ、ハルカみたい。

ハルに縁があるのかな、私。

< 31 / 158 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop