カッコイイオトコ
「ねえねえ、おにいちゃん、僕滑り台やるー!」

ナツキくんがハルヒコくんの手をグイグイ引っ張る。

「分かった」

ハルヒコくんはこっくりと頷いて、バスケットを持ち上げる。

「じゃあ、行きましょうか」

「はい!」


ドキドキしながらハルヒコくんと並んで公園の歩道を歩いていく。

前を行くナツキくんは、ピーさんの黄色いリュックをピョコピョコ弾ませながら、時々振り返っては勢い良く走っていく。

何だか危なっかしいなあ~……なんて思っていたら。

ずてん。

ナツキくんが転んでしまった。

「うわああああ~!」

砂利道の上に座って、大声で泣くナツキくん。

「大変っ……」

私がちょっと慌てていると、ハルヒコくんは無表情でナツキくんに近づいていき、スッと屈んだ。

「立てるか」

手を差し出してそう声をかけるハルヒコくん。

なんて優しい声……。

体の力が、抜けそう……。

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