カッコイイオトコ
なんて顔をニヤけさせていたら。

どん、と目の前に重箱が置かれた。

いち、にぃ……

「さんっ!?」

マヌケな顔で叫ぶ。

三段もの黒光りする重箱。

ま、まさか、これがお弁当!?

私が口をパクパクさせていると、ハルヒコくんが一段ずつ蓋を開け、私の前に広げてくれた。

重箱の中身が光って見える!

ま、眩しい~!

指の隙間から、重箱の中身を凝視する。


和風の外見だけど、中身はどうやら洋風。

金色に光るオムレツには、何だろう、キノコが見える!

鶏のからあげっぽいのには、黒ゴマがかかってる? 周りを彩るレモンがいい香り。

ニンジンや白いヤツ(何だか分からない)は動物の形。

ウインナーはもちろんタコさん。そしてゴマで目まで作ってある! 全体的にかわいい感じなのは、きっとナツキくんのためだろう。

「良かったら、どうぞ」

ハルヒコくんが差し出した箱には、ベーグルが……。

ベーグルに何か挟んであるよ。ハム? トマト? 

私はハルヒコくんとベーグルを交互に見て、それから、恐る恐る手に取った。



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