カッコイイオトコ
今にも泣きそうな私を見て、ハルカは少し考える仕草をする。

「ねえ、歩いて公園まで来たんでしょ?」

「う、うん…」

ハルヒコくんは確かに、バスケットと水筒を持って、ナツキくんを肩車しながらやってきた。

駐車場で待っていたけど、車で来たって感じではなかったよね…。

「小鳥の森って、駅からは離れてるからね。小さな子供連れで電車で来たってことはないんじゃない? もしかすると、案外近くに住んでるかもしれないわね。この間降りた駅も、ウチらの隣だったし」

「あ……うん。初めて会ったのも、ウチの近くの駅だよ」

考えてみればそうだ。

ハルカに言われるまで気付かなかったけど。

ハルカ、頭いい~!

「それに……天童ハルヒコ? ……どこかで聞いたことあるような名前なんだよね……」

「嘘! どこで!?」

思わず身を乗り出す私。

「いや、ちょっと思い出せないんだけど……。とにかく、家は近いかも。その可能性は高いわね。年が近いなら、他の中学の子にアルバム貸してもらえば見つかるかもしれないけど?」

その言葉に、私は固まった。

ハルカはやっぱりね、と溜息をつく。
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