カッコイイオトコ
7.少しずつ…

明日ハルヒコくんが迎えに来る…。

そう思うとなかなか寝付けなくて、気がついたら朝になっていた。

「ねむ~い」

ボサボサの頭で自分の部屋に出て、いい匂いのするダイニングに入ると。

ママがフライ返しを持ってオロオロしていた。

「おはようママ~。どうしたの?」

「あっ、マユ、おはよう。ねぇねぇ、さっきから家の前に怖そうな黒い車が停まってるのよ。どうしようかしら、様子見てきた方がいいと思う? ああ~ん、どうしてこんな時に限ってパパったら出張なのかしら~」

「黒い車…?」

私は道路に面しているリビングのカーテンをそっと開けてみる。

確かに、ヤのつく人が乗っていそうな黒い車が停まっていた。

微妙に響く重低音はエンジンの音だろうか……。やけに車高が低いなぁ。あれが『シャコタン』ってヤツかなぁ?


……と、ジロジロ眺めていたら。

運転席に乗っていた人物と目があった。

その瞬間、私は固まった。


「きゃ……きゃあああああ!!!!」

悲鳴を上げて、シャッとカーテンをひく。
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