カッコイイオトコ
それからハルヒコくんの車の助手席に座り、学校へと向かう。

ハンドルを握る骨ばった大きな手が何故かセクシーで、ドキドキしてしまう。

結構エンジン音がうるさいから、私の心臓の音も隠してくれて良かった…。

「足の痛みはどうですか?」

「はっ、はい! 少し痛いくらいで大丈夫です」

「タカさんが気にしていたんで」

「あ、大丈夫だと、おちゅ……お伝え下さい」

緊張しすぎだ、私!

変にどもってるよ~!

でも、ハルヒコくんは特に気にしていないみたいで、先ほどから真顔。……いつも真顔だけど。


それから無言になってしまって、会話のない車中にはエンジン音だけが響く。

何か話した方がいいのかな?

え~と、え~と……


「この車、カッコイイですね」

「そうですか? 父のなんですが」

「お父さんの?」

こんな車高低くしてるのに?

車好きなお父さんなのかな?
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