カッコイイオトコ
8.現実は厳しいです
『今日も送り迎えありがとうございました』
『明日も同じ時間でいいですか?』
『はい、よろしくお願いします』
携帯の送信ボタンを押して、私はニマニマしながらベッドに転がった。
あれから3日……。
ハルヒコくんが毎日私を迎えに来てくれる。
タカさんは毎日早朝から仕事が入ってしまったらしく──多分、嘘だと思うんだけど──あれからタカさんの姿は一度も見ていない。
いや、いいんだけどね?
おかげでハルヒコくんと毎日会えてるし。メールも交換しちゃってるし。
でも……。
『学校が終わったら、そのままどこかへ出かけませんか?』
……なんてメールは一度も交わされずに3日も経ってしまった……。
思い切って誘っちゃえばいいんだけどね。
ハルヒコくんは優しいから、きっと『いいよ』って言ってくれると思う。