カッコイイオトコ
9.ハルヒコくんの正体
次の日。
今朝も迎えに来てくれたハルヒコくんは、いつものように無表情だった。
でも昨日のことがあるからか、私の心は爽やかな風の吹くこの青空のように晴れ渡っていた。
運転中はやっぱり会話はないけれど。
また今日の帰りも、運転する前にちょっとだけ話しかけてみよう。
今日は何年生か聞いて、どんな勉強をしているのか聞いてみようっと。
ハルヒコくんにお礼を言って別れて、だいぶ痛みの引いた足を少しだけ引きずりながら歩いていると。
何だか、やけに……視線を感じる。
左を見れば、2人の女の子が私をチラ見しながらヒソヒソ話している。
右を見れば同じように、ヒソヒソ話している人たちが。
みんな、頭を金髪や赤に染めて、黒いレザーの短パンやベストを着ている。
……な、なんだろう?
新手の宗教か何かかな?
私は極力その人たちと目を合わせないようにしながら校舎へと入っていった。