カッコイイオトコ
「で? どういう仲なんだっ? いつから知り合いなんだっ?」

「いや、うう~ん……」

どう説明したらいいかな?

ちょっとだけ考えて、タカさんとぶつかって、そこから親しくなったと伝えた。

ピクニックに行ったことは、黙っていた方が良さそう……。

「タカとぶつかって……ギャー! いいなあ! あたしもぶつかりてぇ~!」

ナオちゃんは握りこぶしを作って、「くう~!」と背を丸くした。

その言い方だと……。

「タカさんもバンドのメンバーなの?」

「そうそう、タカはドラムなんだ。迫力あってカッケーんだ!」

確かに……あのタカさんが叩くドラムは迫力がありそう。

そうかあ。ハルヒコくんとタカさんはバンド仲間だったんだ。通りで何だか似たようなファッションだと思った。

「今度のライブのチケットもさ~、なかなか手に入らないんだよね。マユ、何とかハルに頼んでみてよ」

「え~? うう~ん、聞いてはみるけど……」

「やった! サンキュー! 今日からマユはあたしのマブだぜ!」

グッと親指を立ててウインクすると、ナオちゃんは私から離れていった。

マブ……。

マブって、何だろう?
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