カッコイイオトコ
信号が青に変わり、すうっと車が発進する。

「良かったら、今度のライブ来てみないかい? ハルがボーカルやってるからさ」

思いがけないお誘いだった。

「はいっ!」

私は思わず、車内に響き渡る大声で返事をした。

「んじゃあ、これチケット。5枚入ってるからさ、友達なんかも誘って来てくれよ」

な、なんというナイスタイミング!

ナオちゃんとサオリちゃんと……ハルカも誘っちゃおう!

「ありがとうございます!」

私は大興奮でチケットを受け取った。

「喜んでもらえて良かった」

がははは、とタカさんは豪快に笑った。

「そういやぁ、ハルとは仲良くなれたかい? アイツ無口だから、親しくなるにはちょっと時間かかるかもしれねぇけど」

その言葉に、私はちょっと赤くなって俯いた。

やっぱりタカさんにはバレちゃってるんだー。

「は、はい、そうですね……。なかなか会話は出来ないですね……」

「でも根はいいヤツなんだ」

「はい、それは知ってます!」

力んで言ったら、がははは、と笑われた。
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