カッコイイオトコ
「まあ、頑張れや」

私の右肩をぽん、と叩いて、タカさんはニッと白い歯を見せて笑う。

ツヤのいい頬がピカッと光った。


……そういえば、タカさんって何歳なんだろう？

ふと、そんな疑問が湧き上がる。

仕事してるんだから、20代前半ギリギリくらい？


「あの、タカさんって、何歳なんですか？」

「ん？　あぁ、ハルからは聞いてねぇ？」

「はい。運転中は話しかけちゃ駄目なので……」

「あぁ、そっか。アイツ初心者だったっけな」

カーブでハンドルを切ってから、タカさんは答えた。

「25だよ。これでも大学院生」

「……大学院生!?」

思わず驚きの声が上がる。

い、意外です……。かなり。

その声に、やっぱりタカさんは豪快に笑う。

「これでもハルの先輩なんだぞ～ぉ。頭いいんだぞ～ぉ」

「そ、そうだったんですか。……あ、ところで、大学はどこなんですか？」

この際だから、ハルヒコくんに聞けなかったことをタカさんに聞いてみることにした。

「なんだ、そんなことも知らねぇで好きになったのか。こいつはイイ！」

がははは、と笑い声が車内に響く。

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