ひと握りのブルーベリー
とは言うものの、地元の漁師でもなかなか捕まえられない。仕掛けや釣りといったものに盛んに挑戦するママであった。

私があとで聞いたのは、ママはぬるぬるした長いものを見ると鳥肌が発つぐらい嫌いであった。

そんなママを駆り立てたものはやはりパパへの愛であろう。それだけ愛していたママは凄いと思った。


「それで、,うなぎ,取れたの?」


「そう急かさないで、チャメ、」


またパパは、淡々と話してくれる。


パパは、ママの友達からそのことを聞く。
すぐにパパも四国の四万十川に行った。


パパは、四万十川に来たもののどこにママがいるのか分からずにいて、必死に下流から自転車を借りて探していた。

すると上流付近でママを見つける。
パパは、反対岸からママを呼んだ。
「小百合~」

ママは、はっきりと聞こえないがパパの姿を遠目で見ていた。


それでもパパは構わずに叫んだ。

「小百合~、愛してる、俺と結婚してくれ~、」




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