ひと握りのブルーベリー

その隼人さんがバックから予備の硬式用のラケットを貸してくれる。


「ボクが見本を見せるから、沙也夏ちゃんは真似して、」


反対側に高校生の部員がいて、返し安いところにサーブを打ってくる。
なんと、隼人さんはバックハンドで返している。

えっ!初めっから高度なバックハンドですか!
私はそう思い驚いていたら、


「大丈夫、軟式も硬式もやり方は同じだから、ただボールに負けないように打ち返すだけだからね、沙也夏ちゃんやってみて、」


隼人さんに言われるまま、テニスコートの位置につく、高校生部員がサーブを打ってくる。


「きゃあっ、」


そんな強いボールでもないのにボールに負けてラケットを落としてしまった。

「大丈夫、つづけて、沙也夏ちゃん、」


私は、ラケットを拾って構える。
今度は打ち返したものの、ネットを越えない。

それを何度も繰り返していくうちにネットを超えるようになった。


「凄いょ、沙也夏ちゃん、その調子、」


私は、隼人さんにおだてられて練習していた。



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