ひと握りのブルーベリー

昼休みになるとママが作ってくれた弁当を机に置くと決まって美穂が前の席でこちらを向いて座る。

前の席の人が気をつかって席を譲ってくれる。

弁当の蓋を開けると今日は、キャラ弁であった。


「えっ沙也夏、モンモンのキャラ弁じゃない!」


「ふぅふぅ、そうみたいだね、」(笑)


最近ママが作ってくれるのは、歳の離れた小学三年生の弟の分と一緒にキャラ弁に凝っていた。
ママ友と競いあってるようでモンスター×モンスターのキャラが多い。


「美穂のは大胆な海苔弁だねぇ、」(笑)


弁当箱いっぱいに海苔がひいてあり、二段海苔弁であった。
美穂のママは、田舎が福岡なので毎年、有明海苔を送ってくれていた。

おかずは別のパットに詰めてあった。


「わたしの海苔弁少し分けてやるね、沙也夏のキャラ弁も少しちょうだい、」


「あぁーいいょ、私この海苔好きだなぁ、」


私は、浅草海苔しか知らなかったので真っ黒な海苔が珍しいかった。それに口の中で溶けると磯の風味が爽やかである。それで大好きになった。



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