ひと握りのブルーベリー

昔この辺りに動物園ができると噂があった。
今思うと動物園ができなくて良かったと思う。
やっぱり自然のままのほうがこの桜土手にあってる。
軽自動車が一台通れるぐらいの狭い道ではあるがサイクリングにはもってこいの桜土手である。

この辺からちょっと行ったところに花菖蒲園がある、地元しか知らないけど良くパパと来たものだ。


もう桜の花は咲いていないが大好きなサイクリングを楽しんでいたら、

「えっ!なになに?」


私の目に映ったものは、義樹と噂の彼女がベンチに座ってるところであった。
あのベンチは、小さな公園があったところで一つのベンチを義樹と私とで板を取り替えてペンキを塗って修繕したものである。
そのとき、
「ベンチの色なにがいいかな?」「青に決まってるだろう」と義樹が強引に決めたブルーのベンチ。

私と義樹だけの秘密基地をなんで!



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