私を、好きになれば良かったんだよ
しかし面白味は無くても、身長があって顔もまずまずだという条件下だと、それすら思春期十代の女の子の中では長所に脳内変換されるらしい。
すなわち、ミステリアスに見える、と。
どこがだ。
こいつは常に食べ物かサッカーのことしか考えてない野生児バカだ。
まあ、そんなことはいい。
私は目的を果たすために手に持っていたトリュフを高々と掲げた。
「じゃーん!これなーんだ」
ドヤ顔で差し出すと、彼は目に見えてげんなりした。
なんだその顔は。
「……それ、俺昨日いくつ食べさせられたと思ってる」
「………ですよねー」
そうだった。
昨日味見という名の毒見を彼には散々やってもらったばかりだったのである。