生徒だけど寮母やります！⁑

土曜日


つまり

景が雨の中、男子寮Bまで行った次の日


結斗たちが起きる頃には、男子寮Bに景の姿は無かった


「つかもう昼飯の時間だしな。そりゃ帰ったか」

「土曜日ってつい寝ちゃうよね。景ちゃんが帰っちゃう前に、ちゃんと話したかったなぁ」

「ちゃんと話すってなんだよ。しばらくの別れみたいな言い方。女子寮帰っただけなんだからさ。もぐ」


ズズズズ......

ズルズルとマナが出したうどんを頬張りながら話す結斗と咲夜


遅く起きた2人は、昼食から一日のスタートを切っていた



「2人のお椀も早く洗いたいから、さっさと食べちゃって」


「うーす」

「すみません」


キッチンから聞こえるマナの催促

2人はマナに聞こえるように返事をしてから、食べるスピードを上げる


そんな様子を椅子に腰掛けてコーヒーを啜りながら、ライはぼーっと眺めていた



実際、俺は景と喋った
(てか寝た)


コイツらには絶対言わないけど



行方不明の姉貴の話は聞けなかったが

一晩一緒に居た


本当に何もする気は無かったんだ

正直、下心が無かったかと言われれば嘘になる


だから景が寝ていて無意識に俺の腕にしがみついた時は、開き直って襲ってやろうかとも思ったけど


まぁ昨日は特に何も無かった


「何かあった？ライ」

「何もねぇよ」

「そう？ぼーっとしてるけど」

「ああ」


結斗が空になったお椀を持って立ち上がりながら、不思議そうな顔で言う



景は俺の昨晩の行動を


本当にただの友達の行動だと思ってるのか......？



ライにはどうしても、そうは思えなかった