生徒だけど寮母やります!⁑
私の寮母生活3

生徒会が来ます!












あれから約1ヶ月が経ち、もうすぐ夏休みが来ようとしている


ジージーと蝉が鳴き

外に出ただけで汗ばむ季節



そんな金曜日の昼休み、景は女友達?と共に昼食をとっていた



「テレビショッピング見るとかどんだけ暇やねん自分ら」

黒いストレートの髪を夏仕様にサイドで結わえた眼鏡美人、九雷鈴菜


「買うために見るんじゃないのー!すごい面白いよ?」

おっとりふわふわ系ローレライ、柊ちゃん


「そうなの。今買えば更にもう一つ同じものをプレゼント!ってだったら一つでいいから半額にしなさいよねー!?って思わない?」

つい先日まで二重人格を駆使したイケメンハントが不評を呼んだ美少女、波屋有姫


「それよりネットショッピングで買った化粧品失敗したわ。どこが満足度ナンバーワンよ」

愚痴と夏デザインのネイルが似合う新米美人教師、斎藤マナ



以前だったら想像できないようなメンツで昼食をとっているわけだが



やっぱ不思議メンバーだな


それが日常化した今でも、景はたまに不思議な気持ちになっていた


「それは先生のおばさん化が進んでんねん」

「なんですって」

「化粧品でも女子高生のような肌は再現できへんわ」

「ちょっと〜何よ生意気ね!」

「あははっ、先生怒るとシワ増えるわよ?」



今では楽しそうに話し合うことができるが、以前まではもっぱら対立関係にあった私たち


有姫はやることなすこと卑怯でズルくて、悪い人だと思っていたし


斎藤先生のことは、逆に悪く言う理由なんてなくて

でも寮母をとられたことが悔しくて

素直な気持ちで話せない関係にあった



1ヶ月でこうもかわるものだ


景はしみじみとこの光景を見ながら、箸を動かしていた


「ねぇ笠上さん、私ってそんなおばさん?」

「えっ?あ、先生......話聞いてなかったです」

「もーーなんやねん、景」

「あは、ごめん」



振り返って見ると、色々なことがあった1ヶ月だった


あれから女子を鎮めるため、女子のリーダー的存在である有姫に交渉しに行ったところ、なぜか仲良くなったり


一緒に寮母をやるうちに、先生とも打ち解けてしまったり


男子寮Bの四人はその変化に目を丸くしていたが


なんていうか......とても自然にこうなったのだ



< 131 / 388 >

この作品をシェア

pagetop