生徒だけど寮母やります!⁑
しかしそれよりも、ふぅ、なのは私の方
やっと息が出来るようになった私は、そのままクタッと結斗にもたれかかった
「うわっ、景ちゃん、もしかして息できなかった!?」
「う、うん......でも、だ、大丈夫」
結斗にしっかりと受け止められ、私は慌てて起き上がる
しかし結斗は私を背後からホールドしたまま、がくりと項垂れた
「えええちょっと結斗」
「ごめん......本当に」
申し訳なさそうに呟く結斗
あは、ちょっとやめてよー!
なんて言おうと思ったのだが
どうやら大丈夫じゃないのは結斗の方かもしれなかった
顔が青白く、なんだか元気がなさそうだ
「結斗、ちゃんとお昼食べた?」
私の質問に、結斗は目をパチクリさせ
その後ふわりと笑う
「え......さすが景ちゃん、鋭いよね......まだ食べれてない」
そっか、やっぱり
それを聞いた私は、クルリと振り返って結斗の方を向く
身長が高い結斗に真っ直ぐな茶色い目で見下ろされ、私は一瞬ビクリとしたけれど
私は手を伸ばして、結斗の目にかかった髪をそっとどけた
そして、おでこに手を当てる
「んー熱じゃないみたいね」
「うん、熱はないよ」
結斗はゆっくりと頷く
「でも、実は朝からずっと、さっきの人たちに追われてたんだ」
「ずっと!?」
「そう、お昼すら食べれないよ、まったく」
そう言って溜息をつく彼を、私は腕を組みながら困った表情で見つめていた
「んー、ファンにしては男子の声もしたよね?......もしかして」
「変なこと考えないで景ちゃん」
クスリと笑いながら結斗に頭を軽く小突かれ、私は痛ぁぁぁ、とオーバーリアクションをする
「でも、じゃああの人たちは一体」
私の疑問に
「生徒会の人たちなんだ」
結斗はかぶせ気味に答えた
「せい......と......会......」
「そ、生徒会」
私は目を丸くした後
「えええええ!?」
と叫んでしまった