生徒だけど寮母やります!⁑
「ライ......!」
ベッドの後ろから顔をひょっこり出した景を見て、ライはベッドに駆け寄る
「何でお前まで生徒会に追われてんの?」
ライはベッドに手をついて身を乗り出すと、身を隠すように縮こまっている景をジトリと見る
「いやー、私の方から結斗を説得しろってしつこく頼まれちゃって。そんな事しませんって逃げてきたわけ」
景は早口で言うと、こっちこっち、とライを手招きした
「は......?」
「ライも隠れて」
「......はぁ、何で俺とお前はよく保健室に隠れんだ......」
「いいから早く」
ライがしぶしぶベッドを回って隣に座ると、景はひそひそと喋り出した
「ねぇ、結斗がこんなに生徒会から欲されるのには、理由があると思わない?」
「どんな」
「それは分からないけどさ」
でも何かおかしいと思うんだよね、と景はぼそぼそ呟く
実際それについてはこの時ちょうど、咲夜や爽馬たちは知らされたところだが、この2人は知る由もない
保健室には、特有のアルコールの匂いが漂っている
「なぁ」
突然、ライが口を開く
「え?」
景が横に座る身長の高いライを見上げると、ライは話を続けた
「男子寮Bってどんな集まりだ?男子寮Aに入り切らなかった奴の集まりなはずだろ」
「うん......?」
「じゃあなんで6組の出席番号が後ろの奴らとかじゃなくて、俺らなんだよ。クラスもバラバラじゃねーか。
お前はこのメンツが、ランダムで選ばれたと思うか?」