生徒だけど寮母やります!⁑
何と言い返せばいいのか悩む私に、結斗は
「もちろん、ライや、咲夜や、爽馬にだって。ね?」
と微笑んだ
確かに自分が結斗に心配をかけてしまうようでは本末転倒なのだが……
「じゃあ尚更俺らが必要ってことなんじゃん?」
……あ。
いきなり声のしたほうを向くと、そこに立っていたのは咲夜だった
「えっと、みんな……?」
「え……?」
結斗が呟いた通り、よく見ると後ろには爽馬とライもいる
肩にかかったタオルと濡れた髪を見る限り、ライはお風呂をあがってから急いでここまで来たようだ
「悪い、二人とも。たまたま会話聞いちゃってさ、口を挟まずにいられなかったっつうか……」
あまり悪そうに言っていない咲夜に、ライが小さい声で「お節介め……」と呟いた
恐らくお風呂から上がってせいせいしていたところを、咲夜にひっぱられてきたに違いない
「だから、お前さ……」
いきなり真剣な顔つきになって結斗に話し出そうとする咲夜を、結斗は手で制しながら頷いた
「言いたいことはだいたい分かったよ……。それで話を聞かれちゃった俺は、君たちの力を借りざるを得なくなっちゃったわけだね」
やれやれ、と腰に手を当てて苦笑いする結斗
そんな彼を見て、咲夜は満足そうに
「そっ、そういうこと。だから俺らも、生徒会室まで付いていかせろ」
と笑った
何て言うか本当……咲夜らしいな……
そんな彼の優しいところが大好きだ
景がふふふと笑って咲夜を見ると、咲夜は「ん?」と首を傾げた
「ふふ、何でもないの。でもズルイ。咲夜たちは一緒に生徒会室に行けても、私はだめなの?」