生徒だけど寮母やります!⁑


すると、業を煮やした魔術科役員の一人が我慢ならないように妖術科役員に歯向かった


「さっきから黙って聞いてれば、なんだよお前ら都合の良いこと言いやがって!」


「......黙って聞いてたっけ......?」

「景ちゃんしっ......!」


怒鳴られた妖術科側は驚いて心外そうな困った顔をすると、それも余計相手をイラつかせたのだろう、彼の言葉に拍車がかかった


「お前らはいいよなぁだって生徒会長様はお前ら(妖術科)の仲間だもんなぁ!?
こっち(魔術科)のことなんてしったことじゃねんだろ?

こっちは先代から受け継いできた生徒会における魔術科の勢力を保つために必死にやってるだけだろ

手持ちのコマが上等な奴らにこっちの努力を侮辱される筋合いありませんが!?」


彼が息を切らしながら言うと、まわりの魔術科役員もそうだそうだと口々に言った

彼の言ったことは、私たちだってよく分かっている


「男子寮Bの人たちの前で今それについて騒ぐ必要はありません、静まりなさい」

本日何度目かの生徒会長の注意も、今回は彼らは聞く耳を持たなかった


「会長様もいいよな、権力握って思うがまま!都合の良いこと言って、どうせ妖術科の肩をもってんだろ?俺らの勧誘活動だって鼻で笑ってんじゃねーのかよ」


「うるさい黙れ!!!」


............!!


突然の一際大きな怒鳴り声

今の声は......


咲夜......


いきなり大きな声で怒鳴った咲夜に、周りは静まり返って注目する



「お前らさ......生徒会長とちゃんと話したことないんだろ?

会長言ってたぞ。俺らがお前らのしつこい勧誘をバカにした時。

彼らは一生懸命やっている。やり方が間違っているなら、それは自分が正さないといけないことだって。

会長は魔術科役員のお前らを非難しバカにしたことがあるか?妖術科役員より無下に扱ったことがあったか?

今だって静かにしろとは言ったけど、お前らの活動内容を悪く言ったことなんて一回も無いだろ?


どうせ俺らのこと悪く言ってんだろ的な......都合の良い被害妄想してんじゃねぇよ!!!」


............咲夜......


こんなにも感情的な彼を見たことがあっただろうか......

鋭い......相手を引き裂くような目つき


それでいて熱のこもった彼の気持ちを感じる


まるで......全身に電流が走ったような気持ちにさせられた


すごい......
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