生徒だけど寮母やります!⁑
「ありがとう」


女子生徒はさっと私とライの間に腰を下ろした

「私の名前は波屋有姫(ナミヤアキ)、よろしくね!」

「......」


ライは少しだけ有姫を見てから、視線を前に戻す


「そちらの女の子も、よろしくね」

「あ、よろしくお願いします!笠上景です」

「タメでいいよ。ねぇ、あなたも黙ってないで名前教えて?」

「火野ライ」

「ライ君かぁ、かっこいい名前」


有姫はライにぐっと体を近づけた



「ね、あとで会わない?一緒に校内でも歩こうよ」


ぎゃ.........逆ナン!?


「......いい」

「ねえーつれないなぁ。じゃ、お昼一緒にどう?」



有姫の押しの強さは異常だ

この性格が、入学式に心細くて困っているわけが無い

けど、そこをつっこんだら私すごく性格悪いかも......



「昼飯は寮で食べるだろ」

ライが昼食の誘を断る



「ん、そうだけど、食べなくてもいいんだよ。購買で買ったりしてもいいんだって」




寮母として、ここはライに寮での昼食を選んでいただきたい


私の期待通り、ライは再度誘いを断った


「めんどくせぇ、用意されてんなら寮で食う」



あ、やばい

なんか想像以上に嬉しいかも

おばさんたちの作るご飯、美味しいしね



私は心の中でガッツポーズをした
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