生徒だけど寮母やります!⁑


そこで、それならば......
と景は市河を見た

「日向のお家では、ところてんとか食べないの?」


さすがにやっぱ無いかな?と淡い期待でそう尋ねる景に、市河はううんと唸る


そんな彼を見て、結斗はニヤリと口の端を上げた


「そういえば、昨日から生徒会の仕事の引き継ぎをやってるんだけどね......市河生徒会長が今日は実家の神社は夏祭りだって言ってたよ」


思い出すようにわざわざ市河をチラチラ見て言う結斗に、市河が小さく舌打ちをする

「バカ兄貴」


そう呟いて市河がふと横を見ると、彼が恐れたとおり景の目には輝きが宿っていた


「夏祭り!!」

「興味あるよね?いつも仕事大変だし今日くらい夏祭りとか行きたくない?景ちゃん」

「うんうんうん!」


爽馬は何を考えているのか、それとも何も考えていないのか無言だが、市河は「っすよねー」と呟くと諦めたように頷いく


「じゃー来ますか?ウチ」

「行きたい!」

「ところてんはあるか分かんねけど」

「行きたい!」

「はい、分かりました」


こうして苦い顔で承諾した市河に、結斗と景はパチパチと手を叩いた


< 246 / 388 >

この作品をシェア

pagetop