生徒だけど寮母やります!⁑
大講堂を出てしばらく歩くと
教室棟と呼ばれる教室のある棟へついた
どこにあるのかは元から知っていたけれど、今回ばかりは人の流れに流されて辿り着いた気分だ
教室棟は吹き抜けになっている筒状の建物を挟んで、横にながーくのびているレンガ造りの建物だ
2階は3年生、3階は2年生、4階は1年生のフロアになっており、吹き抜けより左には妖術科のクラス、右には魔術科のクラスが入っている
この棟がまた面白く、私がここでの高校生活に憧れていた一つなのだが、それはまたおいおい話すとして......
ここか.........
私は『1-6』と書かれたプレートを見上げてから教室に入った
「さあ、机に出席番号順に座ってくださいね」
教卓に立っていたのはメガネをかけた若い男性教師
すでに教室の机は半分ほど埋まっていた
先ほど配られたクラスわけプリントを見ると、私の出席番号は7番
7番は......
窓側の、後ろから二番
私は指定された席に腰をかけた
数分後、なぜか有姫だけでなく、数人の女子に囲まれてライが入って来たのは気にしないでおこう
しばらくして全員が揃うとHRが始まる
「皆さんはじめまして、このクラスの担任の水穂です。種族はケルピーです」
男性教師が自己紹介を始めた
水穂先生
2年前にこの学校の大学を卒業したばかりの国語教師だ
正体はケルピー
ケルピーとは魚の尾を持った水辺に棲む馬のことで、水に関する魔法を使うことができる
水穂先生が担任か
あまり喋ったことはないけれど、なかなか悪くない
この日はHRと教科書を配られる程度で終わり、私は教室を後にした