生徒だけど寮母やります!⁑








どうして景は寮母なのか


もう何度したか分からない説明を姉たちにし終えた景は、彼女たちの反応を伺っていた


「なるほどね〜、すごいねその年で寮母やるなんて。笠上景ちゃん......。あ、もしかして京子ちゃんの娘?」

「ああ、京子ちゃんの娘か!」


いきなり大きな声を上げて納得する彼女たちに、景は目を丸くした


「え......あ、そっか、お二人とも学校の卒業生だから、母のことを知ってるんですね!」

「へー、京子さんって景の母さんなんだ?」

まだあまり景について知らない市河の言葉に、結斗は頷いた


「京子さんは女子寮の寮母長なんだよ」

斎藤マナ事件の際に必死の思いで女子寮に電話を繋ぎ、彼女と喋った記憶は新しい


「そーそー!あーなんだぁ、京子ちゃんの子かぁ......!懐かしいなぁ京子ちゃん」

「今でも元気ですよ」


帰って母に2人の名前を出したら分かるだろうか


景は長い時間の不思議なこの出会いに何か特別なものを感じながら母の反応を想像した


「私があの学校にいたころは、京子ちゃんは新入り寮母だったんよねー」


「あ、そっか......」


カヅキの言葉に、景は新米寮母の母の姿を思い浮かべる

バキバキ働くベテラン寮母の母しか知らない景にはなかなか想像しがたい姿だ


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