生徒だけど寮母やります!⁑
市河の担当はクロワッサンたい焼きになった
最近の流行りの屋台だからか、少し列ができている
とりあえず、チョコレートと抹茶味でいいか.......
そう考えながら並んでいると、後ろから誰かに声を掛けられた
「日向くんっ」
振り返ると、そこに立っていたのはワンピースを着て髪をハーフアップにまとめた清楚な女の子
中学生時代のクラスメイト、小椋麻依(オグラマイ)だった
「お?小椋、久しぶり」
「久しぶりっ」
5ヶ月前はまだクラスメイトだったのだから特に昔の友達、なんて呼ぶにはまだ早いのだが
なぜか懐かしいような気持ちになって、市河は微笑んだ
「日向くん、こっちに帰ってきてたんだね。みんなと違って遠い高校に行っちゃったし、会いたいねってみんなでよく話してたんだよ」
「あ、そうなんだ、なんか照れんな」
確か小椋はクラスのなかでも大人しい女子だったはずだ
勇気を出して話しかけてくれたんだと思うと、嬉しいものがある
「あ、番だ。買ってくる」
「う、うんっ」
列が市河の番まで減り、彼がクロワッサンたい焼きを買うのを待っていた彼女は、会計を終えて袋を下げた市河に駆け寄った