生徒だけど寮母やります!⁑
はぁ.....
正直あの場から逃れたかったのかもしれない
心臓がばくばく言っている
私はキッチンに入ると、冷蔵庫から牛乳と卵を出した
ちょうどその時
「ただいまーー!」
「ただいま」
「ただいま」
三人が帰ってきた声がして
私はリビングへ出た
「おかえり」
「景〜〜〜〜」
「わっ」
いきなり咲夜に抱きつかれて、一歩後ろによろける
登校初日、彼はさっそく疲弊している様子だった
「つかれた〜〜〜。なんだあの担任!さっそく宿題出してきやがって」
「景ちゃんから離れてくれない?咲夜」
「あは、2人は何組だった?」
咲夜は嫌そうな顔をして「1組......」と答える
「咲夜と同じクラスだったけど、一反木綿だって、鉄鼠の担任に笑われてた」
爽馬に暴露され、ムスッと顔をしかめる咲夜
「あら...、2人が同じクラスなのはよかったね」
鉄鼠とは鼠の妖怪のことだ
「許さねーあの鼠野郎、お前だって鼠じゃねーかバカにして!」
「僕は宿題をやるよ。咲夜も早く終わらせなよ」
「るっせえ、妖狐め。見下してんじゃねーぞ」
咲夜は怒りながらも、爽馬に続いて階段を上がって行った
忙しい人だと
微笑ましくて、思わず笑ってしまう