生徒だけど寮母やります!⁑
先ほどまで結斗と景がいた場所は竜巻に飲まれていく
爽馬はというと、狐から目を逸らさずに手からオレンジに燃える炎を出した
ボオッと音を立てて現れた炎は、爽馬の掌でパチパチと揺れる
狐のことはよくわからないけれど.....あれは狐火.....
爽馬の透き通るような肌と、海のような碧い瞳と正反対のその色に
こんな時に不謹慎かもしれないが、景はまるで宝石のように綺麗だと息を飲んだ
しかし
「ゆ.....結斗..........あの狐.....いくつもいくつも竜巻作ってるよね?」
「う、うん..........あ.....」
狐の作った何本もの竜巻は渦を巻きながら移動し
狐と麻依のまわりをぐるりと一周囲むように配置されたのだ
「狐は俺らに害を与えたかった訳じゃなくて.....いくつもの竜巻で壁をつくりたかったんだ.....!」
「か.....壁..........!」
下を見下ろすと、爽馬も状況を把握して顔を歪めていた