生徒だけど寮母やります!⁑
「こうなるとタチが悪いね。爽馬が使おうとしてるのは炎だからきっと.....」
結斗がそう言った直後、爽馬の手から放たれた炎は狐に届く前に竜巻の壁に飲まれ
まるで吸い込まれるように消えてしまった
「こう.....なるよね..........」
「炎は吸い込まれちゃうなんて......」
肩を落とす景
しかし結斗は真剣な表情で前方を見た
「竜巻の本数が多い分、一つ一つの竜巻の威力はそこまで強くないし高くもない。あの竜巻を超えるぐらい飛んで、その瞬間霧に変化すれば、気付かれないように竜巻の壁の中に入れるかもしれない」
景を抱えたままそんな事をサラリと言う結斗
簡単に言ってのけるが、それはあまりにも危険な策だった
「それで結斗に何かあったら嫌だよ。ヴァンパイア姿になるのとは違って、霧になるっていうのは完全変化なわけで、それだけで身体に負担がかかるのに.....」
景は反対しながらブンブンと首を振る
「景ちゃん.....」
「とりあえず、狐は防衛してるだけで攻撃はしてこないみたいだし.....下に降りよう?」
景の提案に結斗は頷くと、景をしっかりと抱きかかえたまま木の上から飛び降りた