生徒だけど寮母やります!⁑
ヴァンパイアは.....精気を吸う.....
じゃあ結斗はそれを狙って中へ.....
ただ単に無謀に飛び込んだわけじゃなかったんだ.....
「でもライ、そこを狙うってどうやって」
焦ったように言う市河
爽馬と景も顔を曇らせる
そんな彼らを横目でチラリと見てから
「竜巻の威力が落ちてきた」
ライはそう言って顎で竜巻の壁を示した
「確かに竜巻の高さが低くなってる気がするけど、多分僕の炎は飲まれるよ。ライ、君の魔術でなんとか.....」
そう言って諦めようとした爽馬の手首をライはがっちりと掴む
そして
「手伝え」
短く一言そう言った
「手伝うって何を?」
「俺の電流なら地面を通せば竜巻を突破して狐まで届くけど、それだと威力が弱くて狐を刺激して終わる可能性がある。だから、俺の電流(雷)でお前の炎を運ぶ」
その言葉にいち早く反応したのは、市河と景だった
「は!?何言って.....」
「そんなこと.....できるの.....?」
二人は爽馬だってそんなの無理だと首を振るかと思ったが
爽馬の反応は予想に反して真面目なものだった
「炎には電気を通す性質がある.....やってみる価値があるかもしれない.....」
「あぁ.....私、理科って苦手なんだよね」
「理科っつーかこれ化学な」
ライは低レベルな話をしている景と市河を冷たい視線で見た後、ぽんと爽馬の肩に手を置いた
「電流を流すのは専門職なんで。冷蔵庫やドライヤーに流れるただの電気と一緒にされちゃ困る」
「.....分かった。うまく運んでよね、僕の炎」
「絶対」
そう言った2人はコツンと拳を合わせると
背中を合わせて立ち
「「3、2、1.....」」
ジュッッ!
バチバチッッ!!
その掛け声とともに電流と炎を同時に放った