生徒だけど寮母やります!⁑
「あ、ごめんなさい!なんでしょう!」
「あはは、何って、おはようって言いたかっただけやねんけど」
「あ、ご、ごめんね、おはよう」
「うん、おはよう」
関西弁の女の子は、そう言うと、私の後ろの席に座った
そうか
九雷 鈴菜
出席番号が後ろの子だ
長い黒髪のストレートに黒縁メガネをかけた美人、かつフレンドリー関西人
ステータスが強い
「ねぇ、見て、あの人」
そう言われて、私は鈴菜の視線を追った
「え」
視線の先には女子に話しかけられ、無愛想にも答えているライと、もう1人の男子
どうやら女子のターゲットが増えたようだ
「あーあの2人、女子から凄い人気だね」
私は適当に返事をする
「な。てかあの人たちっていうか、黒い長めの髪をピンで留めた人いるやん」
ライだ
「あの人と話してみたいんやけど、ちょっと無理そうやなぁ、すごいなあれ。クラスをハーレム御殿にしそうやな」
「う、うん......同じクラスなんだし、いつか喋れるんじゃないかなぁ?」
曖昧な私の返事に
「そうやな」
と鈴菜は頷いた
すると、こちらの目線に気がついたライが立ち上がってこちらへ向かってきた
うっ......そじゃん
「なんかあった?」
「正に君の話をしててん」
ライが鈴菜の方を見てから、私を見る
「俺の?」
向こうの方で女子がこちらを見ている
会話の内容までは掴めないはずだ
「そー火野ライくん。君、雷属性の魔法使いやろ」
「......ああ」
「うちもやねん。九雷鈴菜、よろしくな」
そう言って立ち上がると鈴菜はライの肩に手を回した
数人の女子が騒めく
「なんか困ったことあったら頼ってくれてええで。うちにできることなら力になれる」
鈴菜はそう言って、優しそうに笑う
「ああ、助かる」
意外にもライは素直に返事をした