生徒だけど寮母やります!⁑


「..........!」

「..........!」


いきなり出てきた姉の名前に景は微かに目を開く

結斗もあまり表情を変えることはなかったが、景を見た


「あ、ごめんねこんな事聞いて」

申し訳なさそうに言うハルに、景はブンブンと首を振る


そっか.....

お姉ちゃんとハルさんは同い年.....


お姉ちゃんもハルさんみたいに、もうこんなに大人になったのかな

景はそんな事を考えながら微笑んだ


「お姉ちゃんが元気かどうか、全然分からないんですよ。あの日失踪して以来、何も音沙汰がなくて.....」

「..........そっか.....。失踪って噂、本当だったんだね。高校生のとき4組の笠上さんがいなくなったとは聞いたけど、失踪だか誘拐だか、そこの詳しい情報は分からなかったから」

「多分失踪.....です」


俯きがちに頷く景

そんな景の頭を、ハルはポンポンと優しく撫でて微笑んだ


「私妖術科だから、魔術科の友達ってあんまりいなかったんだけどさ。授業サボって裏庭に行くと、たまに美音ちゃんが同じ事してたんだよねー」

「お.....お姉ちゃん.....」

「内緒ねこれ」
< 321 / 388 >

この作品をシェア

pagetop