生徒だけど寮母やります!⁑




その瞬間

景は何かに気付かされたような顔をしてから、目を細め穏やかな笑みを浮かべた


「助けてくれたから.....無事だったよ」


優しい声でそう囁き、ライの頭を撫でる


「ありがとう..........ありがとう.....」


心からの感謝の言葉に、ライは困ったように笑って身体を景から離した


そして、そっと

景のこめかみ部分に付けられた髪飾りに手を伸ばす


「あ、これね、結斗がくれたんだよ」

「うわ.....」

「ちょっとそんな顔しないでよ。可愛いでしょ?こうパァァンッてくれたんだから」

「ぱ.....パァァン?」


微妙な顔をするライに、景はお構いなしに髪飾りを見せつける


「なんだそれ.....」

結斗からの貰い物というのがまた何ともライの癪に触るが、その姿が何とも可愛らしくそっと顔を逸らした


《次はー○○公園前ー○○公園前ー。いつでも安心○○病院をご利用のお客様はここでお降り下さい》


バスのアナウンスが流れ、景はクルリと身体を捻って座席に片膝をつくと、後ろの座席に座る爽馬と市河の頭をポンポンと叩く


「んあ.....けー」

「おはよ日向。降りるよ、爽馬と結斗も」


眠そうに起きる彼らに、ライは先程の景とは対照的に市河と爽馬の頭をグーで叩いた


「いいっって!?」

「痛.....」
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