生徒だけど寮母やります!⁑
爽馬が静かに冷蔵庫の前まで歩いてその扉を開けると、先ほどと同じようにジッと動かず冷やされ続ける咲夜の姿が全員の目に飛び込んだ
「さっきからずっとこの状態なんだよねぇ」
固まる爽馬と市河に結斗は溜息をつきながら肩をすくめる
ライはそんな咲夜をバカバカしいとでもいうように
「てめぇが冷やされたところで美味くもなんともねぇーよ」
と鼻で笑った
その挑発にイラっときたのだろうか、白い布はふにゃふにゃと冷蔵庫から出てくると、たちまち咲夜の姿に変わる
お、戻った
と誰もが思ったのもつかの間
咲夜は凄い剣幕でライを指さすと
「お前は仲間(帰省組)だと思ってたんだけど!?」ど指摘した
確かにその通り、市河が呼び出すまでライも実家に帰っていたのだ
そう。
市河がライを呼び出すまでは
「ねぇ、いっちー、あの時なんで咲夜も呼ばなかったの」
爽馬に囁かれ市河がゆっくり顔をそらす
無論、爽馬の「なんで呼ばなかったの」の後には「こうなることが分からなかったの?」が省略されている
結斗、ライ、景からも同じような顔を向けられて
市河はヤケになったように
「一旦木綿があれをどう解決するっつーんだよ!?」
と叫んでしまった
「あー.....」
「アホ」
「同じ妖術科として恥じたいよ」
「日向.....」
結果、その日に限り2人は口をきかず景を困らせることになった