生徒だけど寮母やります!⁑


「そーなんですよ、俺が出ると勝っちゃうし?」

「ふぅん?」


不満そうなマナに睨まれ、咲夜は「あは.....」と一歩後ずさる


「まぁいいわ」

諦めたように顔を元に戻す彼女に、咲夜はため息をついた



実際のところ


爽馬がリレーに出ると知って

自分はそれを見守っていたいと思ったのだ


なかったことにしろと言われたけれど

ふとしたときに、自分の頭の中から以前の生徒会室での爽馬が離れない


『きっと、君もじきにこの学校から出て行ってしまうんだろう?冬馬先輩やエマのように』


『まぁ、そうですね』


このことをしっているのは自分と.....

そして、いっちー


なかったことにしろと言われたから、この話題をいっちーに持ちかけたことはない

市河側も口止めをされてるのだろうか


でも、学校からいなくなるとしたら



本当にそうなってしまうとしたら


多分もう時間はない



咲夜は拳を握りしめ、走り終えて待機列に並ぶ爽馬を見た


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