生徒だけど寮母やります!⁑
爽馬の意思は固い
私は、爽馬に転校を嫌がって欲しいんだ.....
あんな風に素直に転校を受け入れられて、悲しいんだ.....
私.....自分のことしか考えてない.....
なんて情けないんだろう
そう思うと急に涙が出てきて
それは景の頬をつたう
ライは景の後ろに立って彼女の頬をカーディガンの袖で拭うと
くしゃくしゃと彼女の頭を撫でた
「そーそ、お前泣かねぇし。こんなときくらい素直に泣け」
「ずびっ.....ううう」
景は自分の頬に当てられる彼の手を取ると、それを両手でギュッと包んで口元に当てた
「ぅぅう.....」
爽馬に聞こえないように
声を押し殺して泣く
ライはそんな彼女のお腹を後ろから抱き、手で優しくぽんぽんと撫でた
「はっ、ごっ、ごめんライ。ありがとう、慰めてくれて。昨日もね、咲夜に慰められちゃった。御飯用意するね。みんなを呼んで来てもらえる?」
「はいはい。少し目ぇ赤いから冷やしてから来いよ」
「あっ、そ、そうだね!」
ライがキッチンから出て行くと、景はため息をついて自分の目を押さえた
こんなではダメだ
顔には出さないけど
きっと、一番つらいのは爽馬だ