生徒だけど寮母やります!⁑
結斗も同じだった
彼に関しては、そこまで爽馬に転校をやめるよう説得したわけではないが
彼も潔く転校を受け入れる爽馬に腑に落ちぬ顔をしていた
人のことにあーだこーだいう性格ではないけれど、気になってはいる
「あれ、みんなも今帰ってきたところなんだね」
同じく寮に帰る道のりで、爽馬、咲夜、市河に追いついた結斗は後ろから彼らに声をかけた
「あっ、結斗ー。お前からも爽馬になんか言ってくれよー」
咲夜は開口一番、そんな風に嘆いて爽馬を指差す
「君たちまたその話?」
「朝からずっとこーだよ.....」
市河は、やれやれといったように肩をすくめて結斗とアイコンタクトをとった
彼の瞳はまた今日一日、咲夜が爽馬を説得してたことを彷彿させ、結斗は笑ってため息をつく
まぁそうなるとは思っていたが.....
結斗はズボンのポケットに手を入れたまま、フラッと歩いて爽馬の隣へと並び歩いた
「ねぇ爽馬、今日の景ちゃん特製デザートは白玉ゼンザイなんだって。君、和菓子好きだったよね?」
「まあ」
「楽しみ、だね?さ、早く帰ろう」
「.....え、うん?」
そう言って結斗は歩調を強め、爽馬を速く歩くように促す
咲夜も市河も、それを見てなにも言えなかった